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2026/9/16

コラム

【創業塾講師登壇を前に】第2回:背水の陣と、銀行の常識を覆した「チート級のパスポート」

専門家との壁打ちによってビジネスプランが研ぎ澄まされていく一方で、現実の壁は容赦なく立ちはだかりました。

当時所属していた会社との退職交渉です。
会社から求められる高い数字を達成し、粗利90%を超える成果を上げていた私は、「副業規定の緩和や円満な移行ができるはずだ」と高括っていました。しかし、組織の回答は冷酷でした。「前例がない。ダメだ」。

12月にビジコンの一次審査通過の報せが届いたものの、会社との協議は平行線をたどり、気づけば二次審査直前の2月。

「お前なんかに受賞(起業)ができるはずがない」

直接そう言われたわけではありませんが、鼻で笑われたような悔しさと強烈な危機感が走りました。

私は覚悟を決めました。二次審査のわずか1週間前、まだ何の保証もない状態で、退職届を叩きつけたのです。
52歳での決断。一歩間違えれば「ビジコン落選&無職」という、経営リスクとしては極めて危険な綱渡り(まさに失敗談としてのしくじり)でした。
ですが、私には「自分の技術と価値」に対する確固たる覚悟がありました。

退路を断って挑んだ「三十三銀行ビジネスプランコンテスト2025」。 結果は、「優秀プラン賞」の受賞でした。

この受賞は、単なる表彰状や名誉ではありませんでした。
創業者の信用を一瞬で跳ね上げる「チート級のパスポート」だったのです。

通常、実績のない創業者が銀行や保証協会から融資を引き出すには、数ヶ月に及ぶ厳しい審査と交渉が必要です。
しかし、ビジコン優秀賞の実績を下げて面談に臨むと、状況は一変しました。

面談の翌日には「昨日の発表、聞きましたよ」の一言で日本政策金融公庫からの融資(400万円)が即決。
三十三銀行からの追加融資(300万円)に加え、三重県信用保証協会の特例枠として「当座貸越枠500万円(創業者カードローン)」を最大6年間確保することができたのです。

お金がないから借りるのではない。「絶対に会社を潰さないための潤沢な手元キャッシュ(現預金)」を最長期間で確保するために借りる。
熱量は信用に変わり、信用は金融機関を動かすレバレッジになる。
覚悟をもって挑んだビジコン受賞が、私の事業の「財務の要塞」を完成させてくれました。

(第3回「令和の共創モデルと、覚悟の先に見える未来」へ続く)

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